死亡事故の解決実績

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【死亡事故】事故前の年収よりも高額の基礎収入額認定、子・父・妹の近親者慰謝料の認定

Hさん 30代・男性・現場作業員

【死亡事故】事故前の年収よりも高額の基礎収入額認定、子・父・妹の近親者慰謝料の認定

解決事例のポイント

① 事故前の年収よりも高額の基礎収入額認定
② 別居する子に対する養育費支払いをもって一家の支柱と認定させた
③ 刑事裁判に被害者参加することにより子のみならず、父や妹の近親者慰謝料も認定

法律相談(刑事裁判への参加の提案・今後の流れの説明・死亡慰謝料などの損害賠償額の説明)

Hさんのご遺族が来所され、みなさんに法律相談を実施しました。

刑事裁判の結果が民事の損害賠償請求へ影響することをご説明し、民事の損害賠償請求だけでなく刑事の被害者参加もご依頼を受けることになりました。

 

刑事裁判 福岡地方裁判所小倉支部(求刑どおりの判決)

1 捜査段階

すぐに捜査担当警察官に連絡を取り、現在の捜査状況の進捗を確認しました。

送検後の捜査担当検察官とも密に連絡を取り、遺族聴取の前には、ご遺族に対して検察官と話す際の注意点をお伝えしました。

また、検察官が入手していなかった証拠(被疑者が自身が被害者であると装っていることを示す書面)を検察官に提供するなど捜査協力も行いました。

こうした遺族サイドの動きや後続車両のドライブレコーダーの映像のおかげで、無事起訴されることになり、刑事裁判が開かれることになりました。

2 起訴後裁判開始まで(起訴状や証拠の取寄せやそれらの内容確認・被害者参加手続・公判担当検事との打合せ)

捜査担当検察官より起訴の連絡を受けた後は、すみやかに起訴状の交付をお願いし、起訴内容を確認します。

また、検察官が刑事裁判に提出する証拠の閲覧・謄写の申請をし、証拠分析を行います。

これに加え、ご遺族が刑事裁判参加のご意向であったため、被害者参加手続も申出を行うなどの手続を行いました。

刑事裁判に被害者参加する場合、法廷の場でご遺族の心情について意見を述べることができますので、どのような意見を述べてもらうかについて原稿の打合せも行います。

そして、公判担当検事が決まったら、公判担当検事との打合せも行います(刑事裁判開始後も含めると計4度の打合せを行いました。)。

具体的には、被害者参加弁護士と公判担当検事との役割分担(主に証人尋問や被告人質問について)等の打合せをします。

3 刑事裁判

刑事裁判に被害者参加をする場合、ご遺族が法廷の場で意見陳述を述べることができ、これが証拠と同様の扱いをしてもらえることになります。

Hさんの妹さんらと何度も意見陳述原稿について打ち合わせをし、意見陳述で述べる内容を決めました。

Hさんの妹さんは、最愛の兄が亡くなり、悲痛な思いを抱えておられましたが、どうしても法廷で話をするのは精神的に難しいということでしたので、傍聴席で見ていただき、弁護士が代わりに朗読させていただきました。

代読ではありましたが、傍聴席からもすすり泣く声が聞こえ、裁判官も意見陳述を聞き入ってくれていました。

遺族の声が届いたこともあり、被告人には検察官の求刑どおりの判決が下されました。

 

民事裁判 大分地方裁判所(7400万円和解解決)

無事刑事裁判の被害者参加を終え、次は、刑事裁判の証拠を用いて民事の損害賠償請求訴訟を提起します。

刑事裁判はご遺族とともに求刑どおりの判決を勝ち取りましたが、民事裁判は基本的には弁護士のみで行うことになります。

Hさんは交通事故当時35歳でした。

30歳未満の交通事故被害者の方ですと、賃金センサスに基づき逸失利益の算定がなされることが多いですが、それ以上の年齢の被害者ですと、交通事故前年の年収をベースに逸失利益の算定がなされるのが原則です。

しかしながら、Hさんが交通事故がなければ、より多くの収入を得ていたであろうことを就業先の協力を得ながら立証することで、実際の年収よりも100万円以上高い基礎収入額が認定され、約4500万円の逸失利益が認められました。

そして、Hさんは独身でしたが、以前は婚姻をしており、養育費の支払いをしていたことをもって、一家の支柱であると認定させ、最も高額な死亡慰謝料水準を認めさせることもできました。

また、子供だけでなく、刑事裁判に参加した父や妹の近親者慰謝料も認めさせることに成功し、総額7400万円を超える金額での和解解決となりました。

 

弁護士小杉晴洋のコメント:独身男性の死亡事故でも「一家の支柱」としての逸失利益や死亡慰謝料額が認められることがあります

Hさんは独身男性でしたが、「一家の支柱」としての逸失利益や死亡慰謝料が認められることがあります。

「一家の支柱」と認められると、死亡逸失利益や死亡慰謝料が裁判基準の1番高い基準で認められることになります。

「一家の支柱」にあたるかどうかは、法理論上の話よりも、実際の生活実態を細かく立証していくことが重要です。

そして、実際の生活実態を裁判所にわかるように伝えていくには、被害者側専門の弁護士とご遺族との協力関係・信頼関係が重要です。

この記事の執筆者

小杉 晴洋
小杉 晴洋

被害者側の損害賠償請求分野に特化。
死亡事故(刑事裁判の被害者参加含む。)や後遺障害等級の獲得を得意とする。
交通事故・学校事故・労災などの損害賠償請求解決件数1000件超。

経歴
小杉法律事務所代表弁護士。
横浜市出身・福岡市在住。明治大学法学部卒。中央大学法科大学院法務博士修了。

所属
横浜弁護士会(当時。現「神奈川県弁護士会」)に登録後(損害賠償研究会所属)、福岡県弁護士会に登録換え(交通事故委員会所属)。