死亡事故の解決実績

  • 基礎収入
  • 1億円以上の解決
  • 葬儀費用
  • 遺族の慰謝料・休業損害
  • 刑事裁判参加
  • 過失割合

【死亡事故】遺族とともに刑事裁判で加害者の嘘を明らかにし、その成果から、民事裁判で約1億2000万円の賠償金獲得

Aさん 福岡県・30代・男性・現場作業員

【死亡事故】遺族とともに刑事裁判で加害者の嘘を明らかにし、その成果から、民事裁判で約1億2000万円の賠償金獲得

解決事例のポイント

① 民事裁判で約1億2000万円の和解解決
② 合計7名のご遺族の近親者慰謝料獲得
③ 実際の年収の倍額以上の認定
④ 刑事裁判に参加し加害者の嘘を明らかにした
⑤ 他の弁護士に依頼していたが、信頼できなかったため弁護士を変更
⑥ 保険会社から過失割合を争われたが被害者に過失なしで解決
⑦ 裁判基準以上の葬儀費用獲得
⑧ 事故後仕事を休んだ家族の休業損害獲得

相談前(死亡事故の内容や他の弁護士を変更する経緯)

Aさんは、10代の頃から付き合っていた彼女を一途に愛し、その後結婚をし、3人の子どもにも恵まれ、幸せな家庭を築いていました。
仕事も順調で、父の元で働き、将来は仲の良い兄と二人で事業を引き継ぐ予定でした。

しかしながら、高速道路上で、ふらつきながら運転する車に衝突され、帰らぬ人となってしまいます。

加害者からはろくに謝罪の言葉もなく、Aさんのご家族は、悲しみに暮れ、どうした良いのか分からなかったことから、弁護士にお願いすることにしました。

ただ、依頼した弁護士からはほとんど連絡がなく、不安な日々は続くことになります。

また、加害者側が、自身が追突事故の被害者であると話していることが労災からの手紙で判明します。

これに激怒したAさんのお父様は、意を決して、他の弁護士にセカンドオピニオンをすることにしました。

法律相談(刑事裁判への参加の提案・今後の流れの説明・死亡慰謝料などの損害賠償額の説明)

Aさんのご遺族が来所され、みなさんに法律相談を実施しました。

ご遺族のお話をうかがうと、悪質な加害者であることが分かりました。

まだ、起訴はされていないということでしたので、刑事裁判に参加することを提案しました。

また、今後の流れや慰謝料額などの損害賠償額についての説明を行いました。

Aさんのご遺族は、現在依頼している弁護士をやめ、小杉弁護士に依頼すると即決し、受任することになりました。

なお、Aさんのご遺族によれば、依頼している弁護士から刑事裁判についての説明はなく、遺族が参加できることを初めて聞いたとのことでした。

刑事裁判 福岡地方裁判所小倉支部(求刑どおりの判決)

1 捜査段階(警察・検察への捜査協力と死亡事故加害者が起訴されるまでの流れ)

すぐに捜査担当警察官に連絡を取り、現在の捜査状況の進捗を確認しました。

送検後の捜査担当検察官とも密に連絡を取り、遺族聴取の前には、ご遺族に対して検察官と話す際の注意点をお伝えしました。

また、検察官が入手していなかった証拠(被疑者が自身が被害者であると装っていることを示す書面)を検察官に提供するなど捜査協力も行いました。

こうした遺族サイドの動きや後続車両のドライブレコーダーの映像のおかげで、無事起訴されることになり、刑事裁判が開かれることになりました。

2 起訴後裁判開始まで(起訴状や証拠の取寄せやそれらの内容確認・被害者参加手続・公判担当検事との打合せ)

捜査担当検察官より起訴の連絡を受けた後は、すみやかに起訴状の交付をお願いし、起訴内容を確認します。

また、検察官が刑事裁判に提出する証拠の閲覧・謄写の申請をし、証拠分析を行います。

これに加え、ご遺族が刑事裁判参加のご意向であったため、被害者参加手続も申出を行うなどの手続を行いました。

刑事裁判に被害者参加する場合、法廷の場でご遺族の心情について意見を述べることができますので、どのような意見を述べてもらうかについて原稿の打合せも行います。

そして、公判担当検事が決まったら、公判担当検事との打合せも行います(刑事裁判開始後も含めると計4度の打合せを行いました。)。

具体的には、被害者参加弁護士と公判担当検事との役割分担(主に証人尋問や被告人質問について)等の打合せをします。

3 刑事裁判(被告人側証人の弾劾、被告人への追及、遺族の心情意見、被害者参加弁護士の論告意見を経て、求刑どおりの判決)

被告人は、事故自体は認めましたが、ふらつきながら運転をしていたことを否定しました。

情状証人として法廷に立った被告人の上司や妻も、被告人は危ない運転をするような人ではないと話すなど、被告人を擁護するような証言をします。

これに対して、こちら側としては、被告人の上司に対し、被告人が過去にも複数の道路交通法違反歴があったことを指摘し、会社としての監督機能が果たせていないことを追及しました。

また、被告人の妻に対しては、まったく遺族に対する謝罪がなかったのはなぜかについて追及をしました。

被告人質問では、ふらつき運転をしていない、ふらつき運転をしたかもしれないがそれは荷物が重かったからであるなどと不合理な供述をする被告人に対して、ドライブレコーダーの映像を元にした追及や、荷物の軽量からすると荷物がふらつく原因とはならないことを指摘するなどしました。

ご遺族の意見陳述では、これまで何度も打合せを行ってきた原稿内容を法廷で読んでいただきます。

怒りと悲しみのため、立っていられるような精神状態ではありませんでしたため、刑事訴訟法第316条の39第1項,第292条の2,第157条の4の規定を用いて、法廷内で付添人をつけることを裁判所に認めてもらいました。

心情意見陳述では、故人との出会い、故人の人柄・性格、故人が失われた後の遺族の生活、被告人の遺族に対する態度などについて話をしてもらい、傍聴席も含め、法廷全体が悲しみに包まれました。

その後、被害者代理人弁護士として論告意見を行い、被告人の供述の不合理な変遷、ふらつき運転の裏付け、被告人の再犯可能性の高さ、自身が被害者であることを装った悪質性、道路交通法違反についての指摘などを行いました。

ハードな裁判ではありましたが、無事求刑どおりの判決を得ることができました。

民事裁判 福岡地方裁判所(1億2000万円和解解決)

無事刑事裁判の被害者参加を終え、次は、刑事裁判の証拠を用いて民事の損害賠償請求訴訟を提起します。

刑事裁判はご遺族とともに求刑どおりの判決を勝ち取りましたが、民事裁判は基本的には弁護士のみで行うことになります。

慰謝料(高額の死亡慰謝料と合計7名の近親者慰謝料獲得)

刑事裁判において故人の無念さやご遺族の深い悲しみ・怒りは十分に立証していたので、刑事裁判の結果や証拠を踏まえて慰謝料の立証を行いました。

3000万円程度の高額な慰謝料が認められ、被害者本人の慰謝料とは別に、合計7名の近親者慰謝料も認められました。

死亡逸失利益(実年収の倍以上の基礎収入額認定)

被害者の生前の年収は、200万円強でしたが、刑事裁判において父の事業の承継を主張しておりましたので、民事裁判でもそれが認められ、倍額以上の基礎収入額が認定されました。

葬儀費用(裁判基準の上限を超える葬儀費用獲得)

葬儀費用は上限150万円とされていますが、福岡地方裁判所より上限を超える葬儀費用の和解案を獲得することができました。

遺族の休業損害(死亡事故後の遺族の休業について200万円獲得)

ご遺族に損害賠償金が支払われるのは、被害者の方が交通事故で死亡してしまったことによる相続のためであり、ご遺族自身の損害として認められるのは近親者慰謝料のみということが多いです。

しかしながら、この裁判では、ご遺族の死亡事故後の休業について200万円の認定を得ることができました。

過失割合0:100(被害者の過失なし)

加害者側の保険会社より、被害者がシートベルトをしていなかったことの指摘がなされていましたが、刑事裁判・民事裁判を通じて戦ったことにより、シートベルト非装着の主張は退けられました。

合計約1億2000万円の賠償金獲得

刑事裁判・民事裁判を戦い抜いた結果、年収200万円強の被害者の死亡事故としては高額の約1億2000万円を獲得することができました。

弁護士小杉晴洋のコメント:死亡事故は刑事裁判への被害者参加が民事の損害賠償請求でもキーになります

刑事裁判・民事裁判ともに非常にハードな訴訟でした。

ご遺族の感情の強いケースでしたが、加害者の言い分や態度が不合理な事案であったため、当然と言えます。

このケースでは、まず、民事のことには手を付けずに、刑事裁判の被害者参加に注力したのが成功だったと思います。

最愛のご家族を亡くしていますから、いくら賠償金をもらっても納得いくはずがなく、このケースで民事の損害賠償請求から手を付けるのは弁護士として愚手といえます。

刑事裁判では、捜査担当検察官、公判担当検察官及び検察事務官との連携が上手くいきました。

打合せ回数も多く重ね、頻繁に連絡を取っていたこともあり、信頼関係が築けたのだと思います。

被害者参加されたご遺族のほかにも、傍聴希望者の親族やご友人の多いケースだったのですが、検察庁及び裁判所にそれぞれご遺族サイドの待合室をつくってもらい、刑事裁判の前後にその待合室で打合せや振り返りを行うことができました。

また、検察事務官や裁判所書記官の配慮により、多くの傍聴席も事前に確保していただきました。

証人尋問、被告人質問、心情意見陳述、論告意見陳述もうまくいったケースと評価できます。

民事の損害賠償請求訴訟では、死亡慰謝料額、逸失利益の基礎収入額、葬儀費用、遺族の休業損害、過失割合など多くの争点が形成されましたが、どれも遺族サイドの主張を認めてもらえました。

これは、刑事裁判での活動が功を奏した結果といえます。

刑事裁判自体の重要性や、刑事裁判が民事裁判に与える影響の大きさについて実感する裁判となりました。

裁判が終わり、ご遺族のおうちにお線香をあげに伺いましたが、ご遺族の笑顔を見ることができました。

刑事裁判の前や最中では、ある時は呆然とし、ある時は怒りに満ち溢れ、ある時は悲しみに暮れるなど感情のコントロールがきかない状態になっていましたが、刑事裁判を共に乗り越え、民事裁判も無事に解決することができたので、少し精神を回復することができたように感じられました。

もちろん最愛の被害者が亡くなってしまった悲しみが消えることはありませんが、多少の笑顔を取り戻すことができ、私としも少し嬉しい気持ちになりました。

この記事の執筆者

小杉 晴洋
小杉 晴洋

被害者側の損害賠償請求分野に特化。
死亡事故(刑事裁判の被害者参加含む。)や後遺障害等級の獲得を得意とする。
交通事故・学校事故・労災などの損害賠償請求解決件数1000件超。

経歴
小杉法律事務所代表弁護士。
横浜市出身・福岡市在住。明治大学法学部卒。中央大学法科大学院法務博士修了。

所属
横浜弁護士会(当時。現「神奈川県弁護士会」)に登録後(損害賠償研究会所属)、福岡県弁護士会に登録換え(交通事故委員会所属)。