Support 刑事裁判参加サポート

被害者・ご遺族が「蚊帳の外」にならないために。
当事者の声をしっかりと届けるサポートを実施します。

刑事裁判への参加は、加害者の責任追及だけでなく、民事の損害賠償にも影響します。

被害者・ご遺族が「蚊帳の外」にならないために。当事者の声をしっかりと届けるサポートを実施します。

About

刑事裁判参加とは?

刑事裁判参加

刑事裁判は、従来、裁判官・検察官・被告人の弁護人の3者で行われていて、被害者やご遺族は蚊帳の外という状況でした。
しかし、被害者や遺族が置いてきぼりにされる刑事司法はおかしいという動きが大きくなり、平成19年の刑事訴訟法の改正で、被害者やご遺族が刑事裁判に参加することができるようになりました。
この制度を「被害者参加」といいますが、この被害者参加制度の創設によって、刑事裁判の法廷に直接被害者や遺族の声を届けることができるようになりました。

刑事裁判に参加することにより、被害者・遺族の観点からの加害者の責任追及が可能となり、また、民事の損害賠償請求にも影響を与えることができます。

遺族が刑事裁判に参加する意義についてはこちら >>

被害者参加対象事件は刑事訴訟法第316条の33に規定がありますが、その第1項4号に、「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(平成25年法律第86号)第4条(過失運転致死傷アルコール等発覚免脱)、第5条(過失運転致死傷)又は第6条第3項若しくは第4項(無免許による加重)の罪(平成25法86本号追加)」と規定されていて、交通事故の人身事故はその対象とされています。なお、危険運転致死傷罪は故意犯とされていますので、刑事訴訟法第316条の33第1項1号によって被害者参加対象事件となります。

被害者参加ができる家族の範囲は、刑事訴訟法第290条の2第1項に規定があります。
被害者本人が参加できるものとされていますが、被害者が死亡した場合や心身に重大な故障がある場合には、被害者の配偶者(妻又は夫)、子・孫などの子孫、父母・祖父母などの祖先、兄弟姉妹が参加できるものとされています。
当事務所でも、被害者本人と参加した例、妻と参加した例、子と参加した例、祖父と参加した例、兄弟妹と参加した例など多数の実績があります。

以下では、被害者参加制度を用いた場合の流れについて説明していきます。
なお、いわゆる認め事件の場合、審理は1回の期日で終わることが多いですが、被害者参加の意見陳述などは被告人の話を聞いた後に内容を詰める必要があるため、事前に2回以上の期日を入れるよう裁判所や検察庁と調整をしておきます。

一般的な刑事裁判の流れの詳細はこちら >>

(1) 捜査担当警察官とのコミュニケーション

交通事故が起きた後、すぐに刑事裁判が開かれるのではなく、まずは警察による捜査が行われます。
その際、警察内部では、担当の警察官が任命されています。
この捜査担当警察官と連絡を密に取ることが重要です。
こちらから連絡を取らないと、捜査状況や送検(検察に捜査権限が移ります。)の時期などを教えてもらえないことが多いです。

(2) 捜査担当検察官とのコミュニケーション

警察による捜査が終わると、捜査権限が検察に移ります。
検察は、警察が収集した捜査資料を精査し、足りないところがあれば補充捜査をして、被疑者を起訴するか否かを決定します。
警察段階よりも更に、捜査担当検察官とは連絡を蜜に取ることが重要となってきます。
起訴の時期がわからなければ刑事裁判に被害者参加する時期もわからず準備もできないということになり、気づいたときには時既に遅しとなってしまうからです。
捜査担当検察官とのコミュニケーションを蜜にし、起訴時期の情報収集や、起訴となった場合の証拠の閲覧・謄写(コピー)の予定も決めておき、刑事裁判へ万全の準備をして臨めるようにしておく必要があります。
また、検察側にとってもメリットがあり、コミュニケーションが蜜に取れていれば、こちらで収集した証拠を検察に提供することができます。
当事務所でも何例も検察に証拠提供をしていて、それが刑事裁判の証拠として利用されることも度々あります。
被害者参加の場では、検察官は味方の立場ですから、仲良くしておくに越したことはありません。
なお、地方の検察庁では、捜査担当検察官がそのまま刑事裁判の公判担当検察官となることがあります。

(3) 刑事裁判参加準備

被疑者を起訴することが決まったら、いよいよ具体的に被害者参加をしてく準備に取り掛かります。
委託届出書の提出などの手続的なこと、起訴状や証拠等関係カードについての情報提供を受ける、刑事裁判に提出する証拠の閲覧及び謄写(コピー)、刑事裁判の進行についての打ち合わせ、刑事裁判当日の流れの確認などを行っていきます。

(4) 刑事裁判当日(開始から尋問まで)

あらかじめ検察官・検察事務官・裁判所書記官との連絡を蜜にしておくことで、検察庁や裁判所内において、被害者・遺族用の待合室を準備してもらえることが多いです。
また、傍聴席の確保をお願いしておくこともできます(犯罪被害者等の権利利益を保護するための刑事手続に付随する措置に関する法律第2条)。
事前に約束しておいた時間に待合室に集まり、裁判前の打合せを行った後に、刑事裁判の法廷へと向かいます。
刑事裁判は、冒頭手続→証拠調べ手続と進んでいきますが、書面の証拠調べが終わるまでは被害者参加をする被害者側遺族の出番は通常ありません。
なお、被告人と刑事裁判の法廷で直接顔を合わせるのが精神的にしんどいという場合は、付添人を付けたり、遮へい措置をとることができます(刑事訴訟法第316条の39第1項,同条第4項)。
当事務所の弁護士の解決事例でも、この付添人制度を利用して、心情意見を述べてもらったことがあります。

(5) 証人尋問

書面の証拠調べが終わると、次に人の証拠調べが行われます。
これを証人尋問といいます。
交通事故関連の刑事裁判では、弁護人側から被告人の配偶者や上司の証人尋問申請がなされることが多いです。
この尋問によって、被害者・遺族への謝罪の気持ちや、今後二度と運転させないよう監督するなどといったことが証言されます。
ただし、実際は謝罪など大してしていなかったにもかかわらず、これまでも何度も謝罪してきたなどと嘘の証言がなされることもあります。
実際どのような謝罪があったかについて1番詳しいのは、被害者本人やご遺族ですから、おかしな証言があれば弾劾していくことが大事になってきます。
刑事訴訟法第316条の36では、被害者参加人は、情状に関する事項については、証人の供述の証明力を争うために必要な事項について証人に尋問することができると規定されていますので、直接尋問をして、おかしな証言を弾劾することができます。
反対尋問は専門の訓練が必要ですので、事前に打ち合わせや準備を行っておき、被害者参加弁護士や検察官に代わりに行ってもらうことをおすすめします。

(6) 被告人質問

証人尋問の後に、被告人質問が行われることが多いです。
被告人に対しても、被害者参加人が直接質問をすることができます(刑事訴訟法第316条の37)。
証人尋問と異なり、情状に関する事項に限定されず、起こした交通事故の内容についても直接質問をすることができます。
被告人質問も専門の訓練が必要ですので、事前に打ち合わせや準備を行っておき、被害者参加弁護士や検察官に代わりに行ってもらうことをおすすめします。
また、被告人質問は特に、民事の損害賠償請求への影響がありますから、それを意識して被告人質問事項を練る必要があります。

(7) 心情意見陳述

刑事訴訟法第292条の2により、被害者参加人は、被害に関する心情などを、刑事裁判の場において述べることができます。
被害者・遺族の声を直接裁判官や被告人に伝えられる唯一の機会です。
当事務所では、原則として、被害者・遺族の方に直接お話していただくようにしています。
ただし、刑事裁判の場において何を話すかについては、事前に打ち合わせを致します。
死亡事故の場合は、お亡くなりになられた方との出会いから交通事故までの流れを詳細に聴き取り、それを原稿に落とし込んでいきます。

この作業は失われた人の人生がどのようなものであったか、その方が亡くなられたことによってご遺族がどのような苦しみを味わっているかを表すのに必須の作業です。
このような作業を重ね、刑事裁判の当日においてお話しいただく内容を決めていきます。
なお、自分では話しきらないという方も多くいらっしゃいますので、そのようなご希望がある場合は、原稿作成は一緒にやらせていただいて、刑事裁判当日は当事務所の弁護士が共に作った原稿を述べさせていただいております。

ここで述べた内容は、刑事裁判の量刑を決めるにあたっての資料となります(刑事訴訟法第292条の2第9項参照)

(8) 論告意見

検察官が論告・求刑を行った後、被害者参加人も論告意見を述べることができます(刑事訴訟法第316条の38)。
この論告意見は、被害者・ご遺族が述べることもできますが、当事務所の弁護士に行わせていただいております。
被告人や証人の供述が信用できないこと、事故態様についての主張、被告人の再犯可能性について、被害者の過失についてなど刑事訴訟での被告人の責任追及と民事の損害賠償請求の際の過失割合・慰謝料請求なども意識しながら行っています。
なお、論告意見の後、弁護人による最終弁論や被告人陳述が行われ、結審となります。

(9) 判決

以上の流れを踏まえて、刑事裁判の判決がなされます。
交通事故は過失犯ですので、懲役刑となることはほとんどなく、禁錮刑や罰金刑の選択がなされることが多いです。
また、刑務所に入る実刑判決になることも少なく、執行猶予が付けられることがほとんどです。

被害者参加の結果、被告人に実刑判決が下された解決事例 >>

Meaning

刑事裁判に参加する意義

(1) 求刑どおりの判決がなされることが多くなります

被害者参加を行うと、行わなかった場合と比べ、被告人の刑事責任が重いものとなる傾向があります。
当事務所の弁護士の経験例でも、検察官の求刑どおりの判決が出ることが多く、また、実刑判決を得た経験もございます。

(2) 民事の損害賠償請求に影響を与えます

刑事裁判では、交通事故の内容、加害者の態度、被害者や遺族の心痛についても審理されるため、刑事裁判の結果が民事の損害賠償請求に影響を与えることが多くあります。

(3) その他

死亡事故では、亡くなられた被害者の方の人生を振り返ります。
交通事故によって突然最愛の人の命が失われていますから、その事実と向き合えずにいるご遺族の方は多くいらっしゃいます。
しんどい作業ではあると思いますが、刑事裁判への参加を通じて、死亡事故の事実と向き合い、心の整理が少しできたとおっしゃってくださるご遺族の方もいらっしゃいます。

Achievement

被害者参加の実績

被害者参加の実績

(1) 加害者の脇見運転の事実を認定

刑事裁判において加害者の脇見運転の事実を認定させ、検察官の求刑どおりの判決を得ることができました(佐賀地方裁判所)。
民事では、この刑事裁判の証拠を用いて、本来被害者の過失が25%とされているところを、被害者の過失0%で示談解決することができました(賠償金1億4000万円以上)。

(2) 被害者が死亡事故に遭っていなければ今後歩んだであろう人生に
ついて立証・7名の近親者慰謝料獲得

刑事裁判において加害者の不誠実な態度やふらふら運転の事実を認定させ、検察官の求刑どおりの判決を得ることが出来ました(福岡地方裁判所北九州支部)。
民事では、この刑事裁判の証拠を用いて、本来の過失割合よりも被害者側に有利な過失割合の認定がなされたり、被害者は事故に遭わなければ父の事業を引き継いでいたであろうことの蓋然性が認められ事故前年収入の倍以上の収入の認定を受け、また、相続人のみならず兄や父母などの遺族固有の慰謝料も認められ合計7名の近親者慰謝料が認められました(賠償金約1億2000万円。福岡地方裁判所)。

(3) 禁錮3年6か月の実刑判決

刑事裁判において加害者が不合理な弁解に終始しため、期日は合計10回にのぼり、刑事裁判が約1年にわたって行われました。
その間、捜査時からコミュニケーションをとっていた担当検察官と、我々弁護士と、ご遺族とで、力を合わせて戦い続けてきました。
その結果、過失犯である交通事故刑事裁判では珍しい、禁錮3年6か月という実刑判決を得ることが出来ました(福岡地方裁判所久留米支部)。

(4) 母の悲痛な思いを認定・慰謝料増額事由

刑事裁判において、加害者が自身に都合の良い供述をするため、我々弁護士と遺族とで協力をして、関係者の供述を取る作業に奔走しました。
この供述を記した陳述書数通を検察官に提出し、刑事裁判での証拠として使ってもらいました。
その結果、加害者の悪性格が立証され、被害者の側に落ち度のないことが認められました(静岡地方裁判所)。
民事裁判でも、保険会社側の弁護士からは被害者の過失を指摘する主張がなされましたが、この刑事裁判の内容が活かされ、被害者の過失は0と判断されました。
また、最愛の息子を失った母の悲痛な叫びを刑事裁判も民事裁判も汲み取ってくれ、民事裁判では、当時死亡慰謝料の裁判基準相場が2000万円~2200万円とされていたものを2400万円であるとの認定をし、更にそこから800万円分の慰謝料増額を認め、合計3200万円の死亡慰謝料額を認定してくれました(東京地方裁判所民事27部)。

Support

刑事裁判への被害者参加をサポートします

刑事裁判への被害者参加をサポート

小杉法律事務所では、多くの刑事裁判への被害者参加サポート実績がございます。
刑事・民事両面において、具体的な成果を出すべく行動していきます。
刑事裁判への被害者参加や民事の損害賠償請求は、専門の弁護士にご依頼されることをおすすめします。

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この記事の執筆者

小杉 晴洋
小杉 晴洋

被害者側の損害賠償請求分野に特化。
死亡事故(刑事裁判の被害者参加含む。)や後遺障害等級の獲得を得意とする。
交通事故・学校事故・労災などの損害賠償請求解決件数1000件超。

経歴
小杉法律事務所代表弁護士。
横浜市出身・福岡市在住。明治大学法学部卒。中央大学法科大学院法務博士修了。

所属
横浜弁護士会(当時。現「神奈川県弁護士会」)に登録後(損害賠償研究会所属)、福岡県弁護士会に登録換え(交通事故委員会所属)。